夏休み、家族で妻の実家へ帰郷した。
妻の実家は、愛知県の県境にある。
妻の実家に泊まった翌日の早朝、妻の母の自転車を借りて、木曽川のほとりに来た。
笠松湊公園という公園だ。
雄大な木曽川の流れをのんびりと観ることができるスポットである。
そのむかし、木曽川沿いの笠松は、水運の要衝であった。公園の解説板によると、木曽川沿いは井戸を掘るのが禁止されており、川の水を生活水として使っていたそうである。その解説板には、なぜ木曽川近くで井戸掘が禁止されていたのかは書かれていなかった。大雨や洪水があると、井戸が泥水であふれてしまうのではないか、と思う。
笠松には競馬場があり、以前は「笠松川花火大会」も開催されていた。水運の要衝のころから、栄えていた街だったのだろう。今は車社会になり、街もさびれてしまったように見える。そんななかでも、笠松湊公園は、かつての栄華を感じさせる公園だ。

こんな公園が近くにあったら、毎日でも寄りたいと思うのだが。妻の母や、妻の妹、姪っ子や甥っ子に笠松湊公園の話をしてみても、「あ、そう」という返事である。
灯台下暗しなのだろうか。あるいは、私の旅情がそう思わせるだけなのだろうか。近所に住んでいたら、そのよさに慣れてしまうのかも知れない。
旅というものは、人間の感性を磨くのだろう。
普段なら見落としてしまうことも、ふとそのよさに気づくことができる。
そんな旅のなかの一コマであった。
