昨年末に父が亡くなり、実家は母一人になった。父が生前の頃は、喧嘩をふっかけていた母であったが、父が亡くなってすっかり元気をなくしてしまった。父が元気な頃に、もっと仲良くしておけばよかったのに。
姉が実家の物置を整理しており、兄や私に物置の物を捨てていいかと連絡が来た。兄は「いいよ」といい、私はアルバムを残そうかとも思ったので、「物置をみにいく」と伝えた。
そして、ゴールデンウィーク中の今日に、実家へ行ってきた。物置をみてみると、すでに姉がかなり整理をしており、捨てるものは特になかった。アルバムを持って帰っても、今の借家では置く場所がないので、持って帰るのは諦めた。
母は体調が悪いと行って、布団で横になっていた。物置をみたあと、トイレに入ったが、とても汚い。以前、100円ショップで買ってあったトイレ拭きシートで、もくもくとトイレ掃除をした。母はトイレを掃除する気力もないのだと思うと、悲しくなる。
帰りがけに、
「午後に新宿高島屋に行くが、母の日のプレゼントは紅茶でいいか」
と聞く。母は「それでいい」、と。
「好きなフレーバーはあるか」
と聞くと、「急に聞かれても思いつかない」という。好きな紅茶も思いつかないのか、とまた悲しくなる。
「じゃあ、こちらで選んで買っておくよ」
と言って、実家を離れた。
家についてしばらくすると、母から電話がかかってきた。
「母の日のプレゼントは、茅乃舎のだしがいい」という。
料理もままならない母なので、何に使うの、ときくと、「煮物をつくる」という。
トイレ掃除もできないのに、煮物をつくるのだろうか。まあ、仕方ない。本人がほしいというのだから。
母も80歳をすぎた。父を亡くした悲しみもあるだろう。体力や気力がないのは仕方ないのかもしれない。
自分は将来どうなるのだろうか。やはり、母のような状態になるのだろうか。
いずれにせよ、身体や気力が思うようにいかなくなるときが来るのだろう。元気なうちにやりたいことをやっておこう、と強く思う。
そして、善く生きること。身体を鍛える。心を整える。
子供たちの教育のことで頭が痛いが、仕方ない。
今を生きる。今を充実させる。今を楽しむ。
