「日はまた昇る」アーネスト・ヘミングウェイ著

 ヘミングウェイの小説はまだ2作しか読んでいない。が、この小説は私のなかで、私の中の100冊を選ぶとしたら、そのなかの1冊に入る本だ。

 特に、感動するわけでもない。泣けるわけでもない。なんだろう。ただ、酒を飲み、友人と話し、結ばれない恋をする。そう、この小説のように酒を飲んでいたら、アル中まではいかないけれど、肝臓を壊しそうだ。

 主人公は、パリに住み、アメリカの新聞の特派員として、記事をアメリカに送っている。主人公が仕事をしている事務所の1階にはカフェがあり、友人が来たら、仕事の途中で一緒にウイスキーソーダ割りを飲んだりする。羨ましい。この小説で、ブリオッシュというパンを知った。ブリオッシュを買いたくて、銀座三越のジョアンでブリオッシュを買って食べた。美味しかった。

 この小説のなかで、一番好きな場面は、主人公が友達と二人でマス釣りのために、泊まりで旅行する場面だ。宿に到着した当日の夜、たくさんのワインを飲み、温かいシチューやマスのフライ、野いちごを食べる。翌日、イラティ川へ行き、魚釣りをした後に、ランチの時に冷たい泉でよく冷やしたワインを飲む。あー、やってみたいと思う。

 それなりに制約はあるだろうが、特派員としてパリの街を楽しむ主人公の行動が印象的だ。そんな生活をしてみたいと思う。

 これからも繰り返し、繰り返し読みたくなる本だ。多分、自分は自由を欲しているのだろう。空想を膨らませてくれる本だ。

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