「静かな退職という働き方」海老原嗣生著 PHP新書

 QBカットで約1時間順番待ちをしている間に、一気に読んだこの本。

 自分の職場やお店をみていても、いつも思う過剰品質というキーワード。著者はヨーロッパやアメリカと比べても、日本は過剰品質という事例を紹介している。

 日本は、特に高齢者にその傾向が強いのではないか。長時間残業すれば、報われてきた時代ではない。確かに、まだ大企業ではその傾向はあるかもしれない。しかし、それで出世や生涯の生活が保障される時代ではなくなった。

 著者は「静かな退職」という生き方を紹介している。

 その仕事術になかで、印象に残ったのは、「マナーが良ければ、たいていのことは許される」というところである。確かに、礼儀正しく、謙虚な人は好かれる。昔の大物俳優は、裏方さんにもとても丁寧で親切だったというエピソードも聞いたことがある。

 あとは「明日の投資よりも、今日の心証稼ぎ」も共感した。私も、上司から営業実績を強く求められた時期があった。なかなか営業実績が上がらずに苦しい状態が続いた。そのあと、周りのサポートの仕事のウェイトを大きく上げたところ、周りに感謝されたし、連携も段々とうまく行くようになり、実績があがらずギスギスした同僚との関係もよくなっていった。電話取りも周りの心証がよくなる仕事だと著者は紹介している。私も、だんだん今の職場のメンバーの名前もわかってきたので、そろそろ電話の取次もやってみよう、と思う。

 平社員ながら、55歳の役職定年には給料が大幅に下がる。大学進学の控える子供を二人抱える我が家にとっては、60歳ぐらいまでは教育費がかかるのだ。そのなかでの生き方・働き方を模索する私としては、いかに今の職場・会社・お客様に貢献して、必要とされる人材でいつづけるか、だ。 

 まず、誰にでも礼儀正しく、そして電話取りをやろう。謙虚に、謙虚に。

 その気づきを与えてくれる本であった。

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