半年ぶりに、ラピュタ阿佐ヶ谷へ映画を観に行った。
今回観たのは、市川泰一監督による「パラキンと九ちゃん 申し訳ない野郎たち」。主演は坂本九、ヒロインは鰐淵晴子だ。
ストーリーは、神田の学生街のレストランでコックの修行を積んでいるところから始まる。コック見習いの九ちゃんが実は御曹司であったことがわかる。ペテン師集団とのドタバタや、ヒロインの芸能界デビューを影で支える姿など、様々なドラマが巻き起こるコメディだ。
坂本九といえば「上を向いて歩こう」のイメージしかなかったが、実は多くの映画に主演を務めていたと今回始めて知った。飾らない明るさが画面いっぱいにあふれていて、観ていて気持ちが良い。
そして驚いたのは鰐淵晴子の美しさ。まるで60年代のアメリカかヨーロッパの映画女優のような気品。あとで調べてみると、日本人のヴァイオリニストとオーストリア人の母の間に生まれたと知り、なるほどと納得した。
破天荒な九ちゃんの行動を諌めるべく、父が「善処する」というと、母が「そんな役人みたいなこといって!なんとかしてください!」というセリフは声を出して笑ってしまった。
明るく楽しい物語に、これぞ「ザ・昭和の映画」と感じた。最近の日本の映画は心理技描写が繊細で深い作品が多いけれど、こういうわかりやすく明るい映画を観ると心が軽くなる。
また、ラピュタ阿佐ヶ谷に映画を観に行こう。

