産経新聞の書評欄を読んで気になった本

2025年11月2日日曜日付産経新聞の書評欄を読んで気になった本を書き留めた。

一冊目は、家田荘子「花魁仕置人 藤紫」(白秋社・1,870円)

書評の見出しは「たくましい女性たち」。

江戸・吉原を舞台に、さまざまな境遇の中でたくましく生きる女性たちが主役の長編時代小説。オレオレ詐欺や闇金融など現代に通じる悪事の数々を、謎の花魁・藤紫が次々と解決していくストーリー。

世の中、白黒はっきりつけられない灰色なことが多いなか、たまには勧善懲悪の痛快な話を読みたくなる。

二冊目は、葉真中顕「家族」(文藝春秋・1,980円)

書評の見出しは「不気味さが持つ引力」。

尼崎連続変死事件をモチーフに執筆された本作は、疑似家族を作り出して結果的に13人の変死事件に関わった夜戸瑠璃子と、彼女が築いた「家族」の全容に迫ろうとする内容、だという。

「不気味なのに引き返せず、いつのまにかすざまじいものを目の当たりにする」ーーー書評はその吸い込まれるような”闇の力”を評していた。

瑠璃子に引き寄せられたのは、ひとときのやさしさか、疑似家族としての連帯感か。こわいものみたさで触れてみたい本だ。

今回選んだ2冊は、「白黒はっきり」の本と、「白いようで実は真っ黒」な本。人の心の中にある光と影を思いながら、秋の夜長に頁をめくってみたい。

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