2025年10月18日付毎日新聞の書評欄を読んで気になった本を書き留めた。
まず一冊目は、中井英夫著「新装版 虚無への供物 上下」(講談社文庫)。
書評には「非現実のワンダランド」からしか見えない「現実の不条理」とあった。「現実の不条理」という言葉に惹かれた。この小説が描く不条理とは何かーーその感触を確かめてみたいと思う。
もう一冊は、北村沙衣著「学校では教えてくれないシェイクスピア」(朝日出版社)。
書評では「男らしさにこだわるせいでメンタルヘルスの状況が悪くなる人が沢山いる。リア王もマクベスもロミオもそれに当たるだろう。こうしたことに気づくためにもシェイクスピアは格好のテキストなのだ」とあった。
男らしさとはなにか。腕力や朴訥さ、潔さ、大雑把さ、見栄っ張りーーそれらのこだわりの根にあるものを考えたい。