2025年10月19日付読売新聞の書評欄で、気になった本を三冊書き留めた。
一冊目は、佐佐木幸綱著「現代歌人文庫 佐佐木幸綱 歌集」(国文社、絶版)。
〈サキサキとセロリ噛み砕いてあどけなき汝を愛する理由はいらず〉
俵万智さんの書評には、「さわやかなオノマトペ。直球の愛情表現」とあった。
「サキサキ」という擬音は、私には思いつかない。言葉の棚の奥深さを感じる。それゆえに、自分の語彙力のなさを思い知らされる。
二冊目は、博報堂生活総合研究所著「Z家族 ーデータが示す「若者と親」の近すぎる関係ー」(光文社新書 1,188円)
「〜心開く相手 友より母親〜」という見出しが目を引いた。
著者が「家族との会話についてゼミの学生とよく話をする。出てくるのは母親の話ばかり。母親との緊密な関係には父親不在という現実があるようだ」と述べている。
残念ながら、我が家もそうだ。子供たちが小学生ぐらいまでは、一緒に出掛けていたが、思春期に入ると会話が減った。父親として寂しい限りである。子供たちと再び語り合えるにはどうすればいいのかーーそのヒントがこの本にあるのかもしれない。
三冊目は、坂本貴志・松雄茂著「再雇用という働き方 ーミドルシニアのキャリア戦略ー」(PHP新書 1,320円)
書評には「ミドルシニア社員には、どんな準備や対策が必要なのか」「少しづつでも、5年積み重ねると大きな違いになる」とあった。
私も50代。定年延長の時代を迎えるが、20代・30代・40代の同僚とは体力も気力も違う。50代なり、60代なりの働き方があるはずだ。その形を探り、少しづつでも積み重ねていきたい。