日々、多くの本が出版されるなか、新聞各社が選り抜きの書籍を紹介する書評欄を愛読している。
2025年11月23日付産経新聞の書評欄を読んで気になった本を書き留めた。
◇一冊目
真山知幸著「偉人 大久保利通」(草思社・2,090円)
書評の見出しは”不透明な時代の指針にも”とある。
本書は、偉人研究の第一人者として知られる著者が、維新の元勲といわれる大久保利通について、丹念な調査によると豊富なエピソードを交えて、新たな視点で明らかにしたものである。
書評によれば、「外交でも、理不尽な相手の要求には一切屈せず、議論を丁寧に展開しながら、自国の主張を相手に認めてもらうまで、対話を繰り返した」と述べている。
今まさに、緊迫した日中関係でも、参考になる部分が多いのではないかと感じた。
◇二冊目
大谷内一夫訳・編「ジャパニーズ・エア・パワー」(光人社NF文庫・1,150円)
書評の見出しは”日本空軍力の解剖書”とある。
終戦直後、米国戦略爆撃調査団が対日戦争での航空攻撃の効果を徹底的に調査した。その報告書が本書のベースとなっている。
例えば、真珠湾攻撃については「騙し討ち」避難されているが、報告書では「最も華麗な、成功した攻撃」と評価している。また、「特攻」については、特攻が行われた約10ヶ月間に、米軍艦の沈没鑑総数の約21%が集中しているという。
真珠湾攻撃や特攻についての意外なデータと、従来の評価とのギャップに大いに驚かされた。
◇まとめ
日本取り巻く環境は複雑になってきている。データに基づいた検証や、冷静な判断が大事であることはいうまでもない。そのことを改めて気づかせてくれる2冊だと感じた。手にとって、じっくり読んでみたい。
