父から息子へ、本を一冊

 今日、妻に息子の大学入学手続書類を郵送してくれた。入学金と授業料も振込も済ませたという。

 まだ補欠合格の可能性はあるので、授業料は分割で納めた。もし入学を辞退した場合は、授業料は返納されるが、入学金20万円は戻ってこない。頭では理解しているが、やはり胸が少し痛む。

 私のも、入学を辞退して入学金40万円が無駄になったことがある。あのときに両親の胸中を、いまになってようやく実感している。親になるとはこういうことなのだろう。

 妻によれば、息子は手続きのあとにランニングにいったそうだ。受験でなまった身体を立て直してほしい。父親の切なる願いだ。

 帰宅して、私が読み古した「「そ・わ・か」の法則」(小林正観著)を、息子に渡した。足りないものを補ってほしいという想いをこめて。

 ランニングして疲れたのだろうか。ベッドに横たわっていた息子であったが、

「少しづつ読んでみる」

とどこか気乗りしない声でいった。

 まあ、そんなものか。私も、父が薦めた本を素直に読んだ記憶がない。

 それでも構わない。自分が読んで感銘を受けた本を、折に触れて渡していこう。

 そう遠くない将来、息子も独り立ちしなければならないのだから。

 今日渡した一冊が、いつかどこかで役に立てればそれでいい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA