東京新聞の書評欄を読んで気になった本

2025年10月25日土曜日付東京新聞の書評欄を読んで気になった本を書き留めた。

一冊目は、平野馨生里著「石徹白洋品店物語 ー地域の宝を掘り起こす小さなビジネス」(婦人之友社・1,870円)

著者は「もともと、いなか志向はなかった。日本の原風景のような地域で仕事をつくることがわくわくすると思った。」と語っている。

地方の過疎地域の活性化や雇用対策も目的としたビジネスであるが、地域全体の人口減少は止まっていないそうだ。それでも、地域を活性化しようとする人々に姿勢に心を打たれる。

私も本屋で立ち読みしてしまったのだが、あとがきに、有名大学に進学したが自殺してしまった友人がおり、その経験から「好きな仕事をして生きていく」想いを強くしたそうだ。

私も社会人となって30年以上経つが、今の仕事が自分の天職かどうかはわからない。なにか他のものがあるような気がする。だが、やりたいと思うことに試行錯誤しながら続けていくことが、今や未来を切り開いていくと思う。この本がそれを再認識させてくれる。


二冊目は、矢萩多聞著「ぼくのスパイス宇宙」(晶文社・1,980円)

9歳でインドに魅了され、中一で不登校になるとインドで1年の半分を過ごしたという、画家・装丁家の矢萩さんがスパイスについて書いている本。著者のキーワードは「寛容」とのこと。

書評には、「時代の変化や土地の移動で、人の交流が生まれ、味も変わる。変化を受け入れると、料理は美味しくなっていく」と述べている。

「変化を受け入れると料理はおいしくなっていく」とは、非常に面白い。人格もそうではないか、変化を受け入れることで、しなやかで強くなっていく。

私も、スパイス革命のように、変化を受け入れて、おいしい人間になっていきたい。

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