東京新聞の書評欄を読んで気になった本

2025年10月18日(土)付東京新聞の書評欄を読んで気になった本を書き留めた。

一冊目は、小林美香著「その〈男らしさ〉はどこからきたの?」ー広告で読み解く「デキる男」の現在地ー (朝日新書・990円)

書評には、「権威を強調し、命令や断言を多用する。女性を戦利品のように扱う。男同士で群れる・・・。見えてくるのは、男性中心の競争、消費社会だ。「その価値観だと、強いものに命令されて言いなりになるのがコミュニケーションの形となる。自分の身体感覚や弱さに向き合えないのもしんどいですよね。」とある。

「強いものに命令されて言いなりなるのがコミュニケーションの形」という言葉に強く共感した。上意下達の会社組織そのものだ。自分もそうなっていないか、常に振り返る必要があると感じた。


二冊目は、本間浩昭著「見えない壁」(KADOKAWA・2,200円)

書評の見出しは、「北方四島の空白を埋める証言」。

 「本書の特色は、証言を通じて、北方領土問題を国家間の領有権の案件から、住んでいた人の数だけあった人生とその喪失の問題として提起し直している点にある」と書かれていた。日本とロシアの外交が折り合わない最大の論点は北方領土問題だ。解決の糸口は見えないが、一人一人の人生ドラマを知ることで、ロシアとの関係を結び直す手がかりがみえてくるかもしれない。


三冊目は、住田祐著「白鷺立つ」(文藝春秋・1,760円)。

第32回松本清張賞受賞作で、命を賭けて荒行に挑む僧の物語である。成功しなければ命を絶たねばならないという過酷な修行ーー肉体と精神を極限まで鍛えるその世界を、怖いもの見たさでのぞいてみたい。

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