
私が小学生の頃、猪木はヒーローだった。毎週金曜日20時からの新日本プロレス中継は私の大事な時間だった。そう、たまたま初代タイガーマスクのデビュー戦をテレビで観てしまってから、毎週欠かさず観るようになった。タイガーマスクの試合、中堅選手の試合、そして猪木のメインイベントの試合を観ていた。
この本は猪木の波乱万丈の人生を自ら語っている。子供の頃に観ていた試合と重ね合わせて、思い出しながら読んだ。私の中では、IWGPでのハルクホーガンに負けた試合で、一時代が終わったと感じ、それからプロレス中継はだんだんと観なくなった。
その後も猪木は走り続け、国会議員となってイラクや北朝鮮にも乗り込んで、平和の道を探っていたことも書かれている。
とてもとても猪木のように立ち回れないけれど、スーパースターの人生を辿るこの旅は面白い。50代の自分も、今からでもやれることはたくさんあると思わせてくれる。ありがとう、猪木。